定期購入ECに必要な決済機能とは?STORES・BASEとサブスクライトを徹底比較
食品や雑貨の定期便サービスを運営していると、「出荷管理と決済管理が別システムで二重入力が発生する」「代理店への報酬を月末に手動でExcel計算している」「インボイス対応の帳票を別途作っている」といった課題が積み重なっていきます。
STORES・BASEはEC開設ツールとして優れていますが、定期購入(サブスクリプション)ビジネスに特化した機能が不足しているケースがあります。本記事では、定期便ECに本当に必要な決済機能を整理し、STORES・BASEとサブスクライトを機能・コスト・運用工数の観点で具体的に比較します。
この記事を読むことで、「自社の定期便サービスに適したプラットフォームはどれか」を判断する基準が明確になります。
定期購入ECが直面する3つの運用課題
定期便サービスを一定規模で運営すると、以下の3つの課題が顕在化します。
課題1:決済と出荷の二重管理
ECプラットフォームで注文を受け、別の在庫・出荷管理システムと手動でデータを突合している事業者は少なくありません。この作業が月あたり10〜20時間程度の工数になることもあり、ミスの温床にもなります。
課題2:代理店報酬の手動計算
紹介代理店に報酬を支払っている場合、契約者の数と単価を参照しながら毎月Excelで計算・振込作業を行うのが一般的です。顧客数が50〜100名を超えると、この作業だけで月末の半日〜1日が潰れます。
課題3:インボイス対応帳票の別途作成
2023年10月のインボイス制度開始以降、適格請求書の発行が必須となりました。ECプラットフォームが出力する領収書がインボイス要件を満たさない場合、別途帳票を作成して送付する運用になり、顧客サポートの工数が増加します。
STORES・BASEの定期購入機能:できること・できないこと
STORES・BASEはどちらも小規模ECを素早く開設するために設計されており、使いやすさとデザイン性に定評があります。しかし、定期購入ビジネスに絞ると機能の限界が見えてきます。
STORESの定期購入機能
STORESは「STORES レシピ」等の機能拡張が進んでいますが、定期購入(サブスクリプション)に関しては以下の制限が一般的に見られます。
| 項目 | STORES |
|---|---|
| 定期購入設定 | 対応(一部プランのみ) |
| 在庫・出荷管理 | 基本的な在庫管理のみ |
| 代理店報酬自動計算 | 非対応 |
| インボイス対応帳票自動発行 | 非対応(要別途対応) |
| MRR/LTV/チャーンレート分析 | 非対応 |
| 外部API連携 | 限定的 |
| Webhook連携 | 非対応 |
BASEの定期購入機能
BASEは「定期購入 App」を追加することで定期購入に対応できますが、こちらも同様の制限があります。
| 項目 | BASE |
|---|---|
| 定期購入設定 | App追加で対応 |
| 在庫・出荷管理 | 基本的な在庫管理のみ |
| 代理店報酬自動計算 | 非対応 |
| インボイス対応帳票自動発行 | 非対応 |
| MRR/LTV/チャーンレート分析 | 非対応 |
| 外部API連携 | 限定的 |
| Webhook連携 | 非対応 |
共通する課題:STORES・BASEどちらも、定期購入を入口として顧客が増えるにつれて「代理店管理」「収益分析」「外部システム連携」の面で手動運用が増加していきます。
サブスクライトの定期購入機能:物販・定期便に必要な機能を1プラットフォームで
サブスクライトは、Stripeを基盤とした定期購入管理プラットフォームです。決済処理・在庫出荷管理・代理店報酬・収益分析・API連携を1つのプラットフォームで完結させます。
在庫・出荷管理(オート出荷対応)
サブスクライトは在庫管理と出荷管理を内包しており、課金サイクルに連動して出荷指示を自動生成します。「決済完了→出荷準備→配送」の流れを1システムで管理できるため、別システムとのデータ突合が不要になります。
月間100件の定期便を手動管理している場合、出荷データの転記・照合に平均15〜20時間かかるとすると、オート出荷連携によりこの工数をほぼゼロにできます。
代理店機能(自動報酬計算・自動送金)
代理店ごとに報酬率を設定すると、月次の契約数・売上をもとに報酬を自動計算し、Stripeを通じた自動送金まで対応します。月末の手動Excelを排除できる機能です。
- 代理店ごとの報酬率を個別設定
- 契約の発生・解約に連動してリアルタイム集計
- 報酬の自動送金(Stripe Connect利用)
インボイス対応帳票の自動発行
課金ごとにインボイス要件を満たした帳票(適格請求書)を自動発行します。顧客からの領収書再発行依頼に対しても、管理画面から即時対応できます。別途PDFを作成して送付する運用は不要になります。
CSV一括操作
契約データ・顧客データ・売上データのCSV出力・一括インポートに対応しています。既存のERPや会計システムへのデータ連携も、CSVを介して行えます。
収益分析(MRR/LTV/チャーンレート)
月次経常収益(MRR)・顧客生涯価値(LTV)・解約率(チャーンレート)をダッシュボードで確認できます。どの商品・チャネルが収益に貢献しているかをデータで把握し、意思決定に活用できます。
機能比較表:定期便ECに必要な11項目
| 機能 | STORES | BASE | サブスクライト |
|---|---|---|---|
| 定期購入(サブスク)決済 | △(一部プランのみ) | △(App追加) | ○ |
| 在庫管理 | △(基本のみ) | △(基本のみ) | ○ |
| 出荷管理・オート出荷 | △ | △ | ○ |
| 代理店報酬自動計算 | ✗ | ✗ | ○ |
| 代理店への自動送金 | ✗ | ✗ | ○ |
| インボイス対応帳票自動発行 | ✗ | ✗ | ○ |
| CSV一括操作 | △ | △ | ○ |
| MRR/LTV/チャーン分析 | ✗ | ✗ | ○ |
| 外部REST API | △ | △ | ○ |
| Webhook連携 | ✗ | ✗ | ○ |
| グローバル販売(多通貨対応) | △ | △ | ○(オプション) |
※各プラットフォームの機能は2026年時点の公開情報に基づく。詳細は各社公式情報をご確認ください。
コスト比較:手数料と運用工数を合わせて試算する
決済手数料だけで比較すると判断を誤ることがあります。「運用工数」を時給換算で加えると、トータルコストの実態が変わります。
手数料比較
| プラットフォーム | 月額費用 | 決済手数料(目安) |
|---|---|---|
| STORES | 無料〜 | 3.6〜5.0%(プランにより異なる) |
| BASE | 無料〜 | 3.6%+40円/件(サービス利用料別途) |
| サブスクライト | 利用者2名まで無料、3名以上3,000円/月(税別) | 5.3%(Stripe手数料込み) |
運用工数の試算例
月間契約者数150名・代理店5社で運営している場合の月次作業時間(目安):
| 作業 | STORES/BASEで運用した場合 | サブスクライトで運用した場合 |
|---|---|---|
| 決済と出荷データの突合 | 約15時間 | 約1時間(確認のみ) |
| 代理店報酬計算・振込 | 約5時間 | 約0.5時間(確認のみ) |
| インボイス帳票作成・送付 | 約3時間 | ほぼ0(自動発行) |
| 合計 | 約23時間 | 約1.5時間 |
時給2,500円で試算すると、月間の工数コスト差は約54,000円。サブスクライトの月額3,000円(3名以上・税別)を差し引いても、コスト削減効果は明確です。
サブスクライトのAPI・Webhook連携:基幹システムと繋ぐ
STORES・BASEに不足しているAPI・Webhook連携について、サブスクライトの実装例を示します。
REST APIで契約ステータスを取得する(PHPサンプル)
<?php
// サブスクライトAPIから契約一覧を取得する例
$apiKey = 'YOUR_API_KEY';
$endpoint = 'https://subsclite.com/api/v1/subscriptions';
$ch = curl_init();
curl_setopt_array($ch, [
CURLOPT_URL => $endpoint . '?status=active&limit=100',
CURLOPT_RETURNTRANSFER => true,
CURLOPT_HTTPHEADER => [
'Authorization: Bearer ' . $apiKey,
'Content-Type: application/json',
],
]);
$response = curl_exec($ch);
$statusCode = curl_getinfo($ch, CURLINFO_HTTP_CODE);
curl_close($ch);
if ($statusCode === 200) {
$data = json_decode($response, true);
foreach ($data['subscriptions'] as $subscription) {
// 契約IDと顧客名、プランを出荷システムに連携
echo sprintf(
"契約ID: %s | 顧客: %s | プラン: %s\n",
$subscription['id'],
$subscription['customer_name'],
$subscription['plan_name']
);
}
} else {
error_log('APIエラー: ' . $statusCode . ' - ' . $response);
}
このAPIレスポンスを自社の出荷システムや在庫管理システムに渡すことで、「定期購入の更新課金が完了したら自動的に出荷指示を生成する」フローを構築できます。
Webhookで課金完了を受け取る
<?php
// サブスクライトWebhookエンドポイントの受信例
$payload = file_get_contents('php://input');
$event = json_decode($payload, true);
if ($event['type'] === 'subscription.payment.succeeded') {
$subscriptionId = $event['data']['subscription_id'];
$customerId = $event['data']['customer_id'];
$amount = $event['data']['amount'];
// 課金成功時に出荷キューに追加する処理
addToShippingQueue($subscriptionId, $customerId, $amount);
}
function addToShippingQueue(string $subscriptionId, string $customerId, int $amount): void
{
// 出荷管理DBへの登録処理(例)
$pdo = new PDO('mysql:host=localhost;dbname=shipping_db', 'user', 'pass');
$stmt = $pdo->prepare(
'INSERT INTO shipping_queue (subscription_id, customer_id, amount, status, created_at)
VALUES (:sub_id, :cust_id, :amount, "pending", NOW())'
);
$stmt->execute([
':sub_id' => $subscriptionId,
':cust_id' => $customerId,
':amount' => $amount,
]);
}
Webhook受信により「課金完了」を起点として出荷・通知・帳票発行を自動で連鎖させることができます。APIドキュメントの詳細は https://subsclite.com/api_manual/ をご参照ください。
サブスクライトの料金と始め方
サブスクライトは初期費用・最低契約期間なしで利用を開始できます。
- エンドカスタマー2名まで:月額無料(決済手数料5.3%のみ・全機能利用可)
- エンドカスタマー3名以上:月額3,000円(税別)+決済手数料5.3%
- グローバル販売オプション:+月額3,000円(手数料6.3%、10カ国・多通貨対応)
利用開始は事業者情報の審査(通常2〜3営業日)完了後です。審査通過後すぐに全機能が利用可能になります。
まとめ
- STORES・BASEは定期購入の入口として使いやすいが、代理店報酬の自動計算・インボイス帳票発行・収益分析・API/Webhook連携が不足しており、契約者数が増えるほど手動運用のコストが拡大する
- 定期便ECが本当に必要な機能は「決済×出荷の一元管理」「代理店報酬の自動化」「インボイス帳票の自動発行」「MRR/LTV分析」の4つ
- 運用工数を時給換算すると、手数料の差よりも人件費の差のほうが大きくなるケースが多い(月間23時間→1.5時間の削減事例)
- サブスクライトはStripe基盤で上記4機能すべてに対応し、REST APIとWebhookで既存の出荷・在庫システムとの連携も可能
- 料金はエンドカスタマー2名まで無料(全機能利用可)、3名以上は月額3,000円(税別)+手数料5.3%
定期便ECの運用に「二重管理」「月末の手動計算」「インボイス帳票の手作業」を感じている場合は、プラットフォームの機能範囲を改めて確認することを推奨します。
サブスクライトの詳細機能や料金については、公式サイト(https://subsclite.com)をご覧ください。